日本赤軍 旅券|トップ|般旅券発給拒否処分取消請求事件

日本赤軍 旅券 昭和58(行ウ)114 一般旅券発給拒否処分取消請求事件のトップページ


○ 主文被告が原告に対し昭和五八年二月一七日付けでした一般旅券の発給をしない旨の処分を取り消す。
訴訟費用は被告の負担とする。
○ 事実第一 当事者の求める裁判一 請求の趣旨主文と同旨二 請求の趣旨に対する答弁1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
第二 当事者の主張一 請求の原因1 本件拒否処分及び異議申立て(一) 本件拒否処分の存在原告は、昭和五七年九月当時、シリア・アラブ共和国(以下単に「シリア」という。
)に在留していたものであるが、同年九月一日、在シリア日本大使館を経由して被告に対し、数次往復用一般旅券の発給の申請(以下「本件申請」という。
)をしたところ、被告は、昭和五八年二月一七日付けで、本件申請につき一般旅券の発給をしない旨の処分(以下「本件拒否処分」という。
)をし、同年三月二日に、「貴殿の従前からのいわゆる日本赤軍との密接なる関係にかんがみ、貴殿は旅券法一三条一項五号にいう著しくかつ直接に日本国の利益又は公安を害する行為を行う虞があると認めるに足りる相当の理由がある者に該当する。
」との処分理由を付記して、本件拒否処分を原告に通知した。
(二) 異議申立ての経緯原告は、昭和五八年四月二〇日に本件拒否処分につき被告に対し異議申立てをしたところ、被告は、同年六月二〇日付けで右の異議申立てを棄却する旨の決定をし、同月二二日に原告に通知した。
2 本件拒否処分の違法(一) 旅券法一三条一項五号の違憲性(1) 海外渡航の自由は、その憲法上の根拠を同法一三条、二二条一項、二項のいずれに求めるかの議論は存するにせよ、憲法上保障された国民の権利であることは疑いがなく、かつ、その権利としての法的性格は、単に経済的自由権というに止まらず、個人の本性に属する基本的自由権としての自然権の一種であると解されるものである。
すなわち、国民は、個人の種々の目的を達するため、広く世界各国の人々と接触して、思想、意見、知識等を交換し、各人の人格の形成、発展を図り、あるいは人間的な結び付き、友好、相互理解を築くために自由に外国を旅行することが必要なのであり、そのための海外渡航の自由は、ことに、国際的な文化、経済、政治のあらゆる分野における交流と相互理解、人間的接触の重要性と必要性とが飛躍的に増大している現代社会においては、精神的自由権として把えられるべきものである。
したがつて、公権力によつて、海外渡航の自由を制約するに際しては、かかる権利の基本的性格に照らして、慎重かつ最大限の配慮がなされなければならない。
(2) しかるに、旅券法一三条一項五号は、「外務大臣において、著しく且つ直接に日本国の利益又は公安を害する行為を行う虞があると認めるに足りる相当の理由がある者」について一般旅券の発給をしないことができる、とするものであつて、国民の海外渡航の自由を制約する規定であるところ、その拒否基準の内容が極めて漠然とし、不明確であつて、行政府(外務大臣)の政治的考慮に基づく恣意的な裁量判断により、右のように憲法上保障された国民の自然権的基本権である海外渡航の自由を制約することを可能とするものであるから、憲法に違反するものというべきである。

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